愚痴ることに疲れたときは:正しい愚痴ノートのススメ
仕事や人間関係において、どうしても出てしまいがちなのが愚痴ですよね。
出来れば愚痴らずに過ごしたいのに、ストレスが溜まって愚痴らずにはいられない、、、
そんなことだってありますよね、人間ですもの。
ということで今回は、そんなアナタに贈る、
愚痴とうまく付き合いつつ、愚痴を言わないでもすむようになるかもしれない方法
正しい愚痴ノートのつけ方
についてまとめたいと思います。
愚痴るのって悪いこと!?
まず最初に考えたいのは、愚痴を言うということが悪いことなのかどうか、についてです。
よく、愚痴ばかり言っていると人から嫌われるとか、周りから面倒くさがられるとか言われることがあります。
誰だって愚痴なんて言いたくないですよね。
愚痴っている自分が好きだなんて人も、きっといないのではないでしょうか。
でもでも!!!
わかっちゃいるけど、それでも愚痴らずにはいられないのが愚痴なのです。
もし、愚痴を言い合える仲間がいて、
愚痴ってスッキリ!!!よし、明日からまた頑張るぞ!
と前向きに思えるのであれば、愚痴を吐き出すことによってストレスの軽減に成功していることになります。
従って、気の合う仲間や共通の愚痴を共有している仲間の間で愚痴を吐き出す、と言うことは、
ストレス解消の一つの手段としてアリなのではないか、と思っています。
稀に一切愚痴らないという仏のような方もいらっしゃいますが、私は正直、仏にはなれません。
ということで、個人的には、愚痴を一切言わないようにする必要まではないと思うのです。
問題なのは、愚痴の量が増え、愚痴る回数が増え、
愚痴っている状況に疲れたり、愚痴っている自分に嫌気がさしたりした場合です。
また、たまには愚痴を聞いて欲しいのに愚痴を言える相手がいない、という場合も辛いですよね。
人は基本、自分の身に起きたことでなければなかなか共感しづらいものです。
そんな時に下手に愚痴を言ってしまって、状況を愚痴ったつもりが特定の個人の悪口を言っていると捉えられてしまったり、、、
愚痴る行為にはそんなリスクも伴います。
ではそんな辛い時にどうすればいいのか、次で具体的に説明したいと思います。
愚痴ノートの書き方
もしアナタが、
- 愚痴りたくないのに愚痴らずにはいられない程のストレスを抱えている
- たまには愚痴を吐き出したいのに聞いて貰える相手がいない
という状況に陥っているのであれば、
愚痴ノートを付けてみることをオススメします。
愚痴ノートに書く内容
愚痴ノートに書き出す内容は下記の5つ。
- 今自分が何に対して愚痴りたいと思っているのか、その出来事
- 何故そのことを愚痴りたいのかという理由
- その愚痴りたい出来事に対し、自分はどのように感じているのか
- 愚痴りたい出来事に対して自分が取った行動
- 愚痴りたい出来事は、本当はどうしたら良かったのか
愚痴ノートを書く手順
愚痴ノートを書く手順は下記の通りです。
STEP1. 愚痴ノートに「愚痴りたいこと」を書き出してみる
まずは下記3つについて、心のままに書き出してみましょう。
①今自分が何に対して愚痴りたいと思っているのか、その出来事
②何故そのことを愚痴りたいのかという理由
③その愚痴りたい出来事に対し、自分はどのように感じているのか(感情)
STEP2. 愚痴ノートに書き出した内容を読んでみる
次に、自分が愚痴ノートに書き出した内容を読んでみて下さい。
可能であれば声に出した方がより効果的です。
ここまでで重要なのは、「人の目を気にしたり飾ったりせず、素直に書くこと」と「必ず文字にして読む」こと。
私は個人的に、人間の心と頭は繋がっているけれども別々の動きをしていると思っているので、
まずは心が抱いた感情を文字で見える化することによって、頭で客観的に把握することが大切だと思っています。
ということで、①出来事②理由③抱いた感情の3つを飾らず、素直に文字に書き出し、さらにそれを目で読んで、耳で聞くことによって、
自分が、
- 何に対して
- 何故
- どのように
憤りを感じているのか、愚痴りたかった出来事を客観的に把握することができるようになります。
STEP3. 愚痴ノートを纏め直す
読み直してみて、もし最初に書き出した内容が感情によってぐちゃぐちゃな表現になっていれば、
2度目は人に説明する時のように纏め直してみて下さい。
最初から人に説明してもわかってもらえそうな文章で書かれていた場合には、このステップは飛ばして大丈夫です。
実際の出来事や自分の感情を冷静な表現で説明することが出来れば、ここまでのステップだけでも少しスッキリしているのではないでしょうか。
STEP4. 愚痴りたい出来事にどう対処すれば良かったのか、自分の考えを書き出してみる
愚痴を言わずにいられなくなるからには、その出来事に対する自分もしくは誰かの対処法がうまくなかったことが多いと思います。
そこで、下記2点を書き出してみましょう。
④愚痴りたい出来事に対して自分が取った行動
⑤愚痴りたい出来事は、本当はどうしたら良かったのか
この段階では、心の抱いた素直な感情を受け取り、今度は頭で論理的思考を働かせて考えてみます。
ここで重要なのは、感情を抜きにして前向きに問題を解決する方法を考えること。
一番理想的な解決方法と、現実的な解決方法があれば、その2種類を書き出します。
感情を抜きにして頭で論理的に考えることによって、良い解決方法を思いついて、愚痴りたい出来事を解決する手立てが浮かんでくると思います。
そうすれば、次に同じことが起きたときに考えついた解決策を試してみることができますし、
一人で解決策が思いつかない場合には、ここまでの経緯を冷静に分析した上で誰かに相談することができるようになります。
STEP5. <後日>愚痴ノートを分析する
せっかく付けた愚痴ノートをより有効的に活用するために、愚痴ノートが何件か溜まった時点で分析することも重要です。
愚痴りたい出来事をリストにしておくと、自分がどのようなことに憤りを感じ、ストレスになりやすいのか、という傾向が見えてくるようになります。
傾向がわかれば、自分が似たようなことに対して愚痴りたくなっていることに気付いたり、愚痴りたくなる時の共通点が見えてきますので、
次に憤りを感じた際にその対策も講じやすくなるのです。
実際に愚痴ノートを書いてみよう!
では具体例を出して、実際に愚痴ノートをつけてみましょう。
<愚痴りたいリスト1>
仕事中に他部署の先輩が急に内線電話をかけてきたと思ったら、こちらの話も聞かずに一方的に怒鳴り始めた
前の会社でよくあった実話ですが、この出来事に対して愚痴ノートをつけてみます
STEP1. 愚痴りたいことを書き出す
- ①愚痴りたい出来事
- こちらの事情も聞かずに一方的に先輩に怒鳴られた
- ②何故そのことを愚痴りたいのかという理由
- ・理不尽だから
・怒鳴られること自体が怖くて嫌だから
- ③その愚痴りたい出来事に対し、自分はどのように感じているのか(感情)
- ・何故自分が理不尽に怒鳴られなければならないのか不愉快。
・説明しても炎上するだけで話にならないため疲れる。
・個人的感情をぶつけられるのも、人格や能力を否定されるようなことを言われるのもストレスが溜まる。
・そもそも方針を決めたのは上司や社長であるため、一担当者を怒鳴っても何の解決にもならないと思うので無意味な行動だと思う。
STEP2. 読んでみる
読んでみると、本当に理不尽でストレスが溜まっていることがわかります。
怖い、悔しい、憤り、悲しいなど、色々な感情を抱いたことがわかります。
あいつめーーー
STEP3. 纏め直してみる
今回は人に説明できる整理された内容になっているため、書き直しのステップは飛ばします。
STEP4. 実際の行動と対処法を考えてみる
- ④実際に自分の取った行動
- ・何とかわかってもらおうと一人で頑張ったが、全く話を聞いて貰えなかった。
・ストレスが溜まってモヤモヤ。
- ⑤この愚痴りたい出来事は、本当はどうしたら良かったのか
- ・怒鳴るのはパワハラなので、やめてもらうようにキッパリ言う。
・何とかわかってもらおうと一人で頑張るのはやめて、黙って話を聞き、「ご不満はわかりました。上司に報告しておきます。」と言って受け流す。
・ストレスを発散して忘れる。
- <後日追記>解決方法
- 次に同じことがあった時、その場は受け流して上司に相談し、上司から注意してもらった。
自分の心が抱いた感情に共感し、受け入れた後に、頭にバトンタッチして考えることで、
心は休ませることが出来て、尚且つ、客観的な解決方法が出てきます。
これで次回以降同じような事があった場合には既に対処法が用意できていますので、考えた解決策、実際に成功した解決策を実行することもできますし、
その解決策が実際にうまく行けば、愚痴りたいレベルも低減されるのではないでしょうか。
STEP5. 分析する
そして、愚痴りたい事例を書き溜めておくことによって、私も実際に、自分が「理不尽なことに憤りを感じる」ということを自覚することが出来ました。
自分の思考のパターンを知ると、もしかすると憤りを感じること自体を軽減することが出来る様になるかもしれません。
例えば、「言われている以上に深読みしてしまう」のであれば、「言われていないことは気にしない」など、思考のパターンを変えることで解決出来ることもありますよね
あとがき
いかがでしたでしょうか。
今回は、愚痴りたくないのに愚痴らずにはいられない、でも愚痴っている自分は好きじゃない、という方が、愚痴とうまく付き合い、
愚痴る代わりに対策を講じる事によって、結果的に愚痴らなくてもよくなるかもしれない方法について纏めてみました。
※私の場合、最初はこの方法でも良かったですが、長年パワハラが続いた後に愚痴ノートを取ってみると、思い出すことによって頭が締め付けられるという逆効果に陥りました。もし、同じように極度のストレスがトラウマのようになってしまっている場合には、この愚痴ノートではなくこちらの記事をご参考になさってください。