会社員が海外駐在中に会社を辞める4つの理由
今年の3月までシンガポールで生活していた我が家ですが、日本に戻ってきた理由は、、、
実は夫が転職したからなのです。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、夫や私の周りでは、海外駐在中に会社を辞める人も割といるのです。
そうは言っても、今回自分たちが同じ立場になるまでは、
海外駐在中って会社を辞められるの?転職ってどうするの?そもそも何で?
と思っていたので、、、
今回はその辺りの事情を、自分たちの体験談や周りの人の声を元にまとめてみたいと思います。
この記事を読むとわかること
海外駐在中なのだけど、、、
- 会社を辞めたいと思っている方
- 転職したいと思っている方
意外といらっしゃると思うのです。
この記事を読むと、
- 駐在中に会社は辞められるの?
- 海外にいたら転職活動はどうするの?
- そもそも何故海外赴任中に転職しようと思ったの?
ということが体験談からわかります。
海外駐在をしたいと思っている方、海外駐在することを悩んでいる方、海外駐在中で迷っている方など、、、
何かのご参考になれば幸いです。
海外駐在中に会社は辞められるのか
会社の考え方や状況にもよるとは思いますが、基本的には海外駐在中でも会社を辞めることは可能です。
我が家の周りで実際に今まで見て来た、海外駐在中に会社を辞めた人のパターンとしては、
- 海外の外国企業へ転職した人
- 日本の会社を辞めて、駐在先の現地法人に転籍した人
- 日本の別の会社へ転職した人
- 転職ではなく退職した人
という4パターンだったのですが、
外国企業へ転職した人、現地法人に転籍した人、転職ではなく仕事を辞めた人はそれぞれ1人で、
その他は夫を含めて、15人くらいの方が海外駐在中に日本の別の会社へ転職していきました。
海外駐在中に会社を辞めてしまうと、会社の取り扱いにもよるのでしょうが、帰国の費用が出ないことが多いと思います。
我が家の場合も前の会社では出してくれませんでしたが、今回新しく入社した転職先の会社が帰国費用を負担してくれました。
他の人の話を聞いても転職先の会社が負担してくれている場合がありますので、お金がネックになっている方は、転職先の人事担当者に確認してみるといいかもしれません。
海外にいて就職活動はどうするのか
コロナの前に海外駐在中に辞めていった人は、転職活動をするために、わざわざ土日に日本に戻って来ていた、という人もいましたが、
夫の場合はコロナ禍ということもありましたし、日本でもオンライン会議が浸透してきていることもあり、全ての面接がオンラインでした。
書類も全て郵送やメールでやり取りをしていましたので、最初の出社日に初めて新しい会社に行った、という状態でした。
海外駐在中に転職しようと思った理由
社会人が会社を辞めようと思うからには、今いる会社への不満は少なからずあるかと思います。
そもそも不満がなかったら、海外駐在中にわざわざ辞めようとはまず思わないですからね
ですので中には海外駐在がネックになっているわけではなく、会社自体が嫌になって辞めた、という人もいるのですが、
ただ、今回はそういう個別の理由ではなく、海外駐在という状況が転職の切っ掛けになる、その理由について挙げてみたいと思います。
家族への負担
海外駐在が一度だけで、任期が短期間且つ確定しているのであれば問題はないかもしれませんが、
実際にはそういう会社ばかりではなく、我が家を含め、ほとんどの方の転職理由が「家族」でした。
赴任先が危ない国だったり、家庭の事情で家族が帯同できないような場合には特に、
単身赴任が長くても平気というご家庭もあるのかもしれませんが、今は仕事だけではなく家庭を大切にする時代、、、
家族と離れ離れで暮らさなければならない環境、というのは、やはり大きな転職理由になるのだと思います。
子供が小さいので一緒にいたい、奥さんに負担を掛けているので一緒に暮らしたい、と言う声が多かったです。
我が家の場合は長い単身赴任生活を経て、シンガポールへは私が会社を辞めて帯同したので、夫婦2人での生活は叶ったのですが、
日本に残してある家や車やバイクの管理を近所に住む夫方の親に頼んでいて、
最初は「任せて!」という感じで快く引き受けてくれていたのですが、任期が長くなるにつれて疲れてゆくのがわかり、
少しお願いしなければならないことが立て込んでしまった時などは、意識が朦朧としているような時すらあり、
当たり前のことなのですが、親が高齢になっているという事実を再認識させられました。
私の実家もそうですが、何かあればすぐに駆けつけられる距離にいたいと思ったことが理由の1つでした。
家や車やバイクが心配
管理を頼んでいるとはいえ、家も車もバイクも、使っていないと傷んだり、壊れたりするもの。
もちろん考え方は人それぞれで、駐在中に家を空けていても全く気にならないという人もいますが、
我が家は家にも車にもバイクにも強い愛着があって常に心のどこかで気掛かりだったことも理由の1つです。
家については建ててからまだ数年しか経っていないので、駐在の際に人に貸すという選択肢はなく、
住宅ローンは払い続けているので家賃が浮くというようなメリットも特になく、
詳しくは書きませんが住宅ローン控除は駐在中は受けられないことも多いので、住宅ローンを抱えている家庭にはむしろデメリットがあります。
例えばお子さんがいらっしゃれば教育費がかからないのでプラマイするとプラスになる、とか、デメリットを上回る駐在手当が出ていたりすればまた話は違うのかもしれませんが。。。
ライフスタイルとビジネススタイルのずれ
せっかく家を建てたのに夫はずっと海外だったので、自宅で暮らす生活がほとんど出来ていませんでした。
夫が入社した当時とは会社の考え方が変わっていて、昔からビジネスのフィールドが海外であることはわかっていましたが、当時は出張ベースが主だったのです。
それがどんどん駐在という形に置き換わっていき、会社の第一線で活躍するには海外を転々とすることになってしまい、
最近では「この会社で働くのなら海外に骨を埋めるつもりで」と言われるまでになっていました。
入社する前からそう言われていて、納得した上で入っているのであればまだしも、
途中からビジネススタイルが変わったことにより、我が家が目指すライフスタイルとはズレが生じていたことも、理由の1つでした。
また、例え納得して入ったとしても、若い独身時代はむしろ海外が良かったけれども、結婚してある程度落ち着いてくると日本がよくなる、というように、自分のライフスタイルが変化することもあり得ますよね。
やっぱり日本で暮らしたい
我が家は日本好き、温泉好き、車旅好き、夫はそれに加えて運転することでストレスを解消する特異体質。。。
単身赴任の時には数ヶ月に1度日本に帰宅して休暇を取れることになっているのですが、家族帯同で行くと1年に1度に減ってしまいます。
丸一年日本に帰れない状態となると、、、我が家は特に海外嫌いではないのですが、流石に日本が恋しくなります。
また、この3月まで我が家が生活していたシンガポールはたまたま安全な国でしたが、次に行くのは黄熱病などの心配があり、医療機関に掛かるのが不安になり、治安が悪い国である可能性が高かったので、
日本で暮らせると決まった時には、正直言って、夫がもうこれ以上危険な目に遭わずに済むかと思うとホッとしました。
路上で襲われたとか、長旅の疲れで倒れて病院に運ばれたけれどもどんな治療をされるのかわからないため帰ってきたとか、乗っているヘリコプターが止まって落ちかけたとか、、、もうそんな報告を受けずに済みますので。
ラマダン月のテロの注意喚起が出ている中で飛行機に乗って移動するのも、毎回到着したと連絡が来る度にどれだけホッとしたことか
周りでは、例え住みやすいと言われているシンガポールであっても海外生活にどうしても慣れずに家族だけ日本に帰ってしまう人もいましたし、
夫の会社は前述のように、第一線で活躍しようとすると日本には戻れない環境だったので、
先の見えない海外生活が続く不安が退職の理由、という人もいました。
その他
自分たちの身近ではないですが、その他にも、
- 自分の体調に問題が出始めたから日本に戻りたい
- 日本の無茶振りで現地との間に立たされるなどストレス過多
などの理由も聞いたことがあります。
ちなみに、少し意外なことに、夫の前職ではわざわざ海外駐在中に会社を辞めて転職したのに、再び海外駐在になる可能性のある会社に転職している人もいて、
その理由を聞いてみると、
- 新しい会社の駐在先は欧米で、危険な国ではない
- 駐在はあるかもしれないが、例えあっても数年だけのこと
- 駐在の制度がしっかりしていて、キャリアアッププランが明確なので不安がない
など、、、
夫の前職が特殊過ぎる環境(いつ、危険な国に、何年行かされるか、果たして日本に戻って来られる日が来るのか見えない)であったための問題もあったようです。
あとがき
人生は人の数だけありますし、世の中にはあらゆる仕事があります。
海外駐在というと華やかに思われがちで羨ましがられることが多いのは事実で、人によっては「何を贅沢なことを、、、」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
何事もやってみなければ分かりませんし、知り合いの中にも海外が好きで日本にはもう戻りたくないと言っている人もいるので、海外駐在自体を否定しているわけでは決してありません。
ただ、、、幸福論になってしまうかもしれませんが、、、人から羨ましがられる環境・仕事だから幸せ、ということではなく、
ワークライフバランスが重視されるようになってきている今の時代、
家庭を顧みずにがむしゃらに働く時代ではなくなっている今の時代、
自分と家族のライフスタイルにあった仕事を選ぶことが、長く、楽しく仕事をする秘訣なのかもしれません。
憧れで海外駐在してみたけれど、こんなつもりじゃなかった、、、ということにならないためにも、
メリット・デメリットをしっかり理解した上で決めることが出来ると良いですよね。
ということで今回は、会社員が海外駐在中に仕事を辞める理由について、我が家と自分たちの周りの声をまとめてみました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※海外駐在したい方も、海外駐在をやめた方も、そのどちらでもない方も、コチラ↓を、、、