パワハラの実態:パワハラ上司の特徴と被害者の受けるダメージ
世間は現在進行形で拡散中の新型コロナのニュースで持ち切りですが、その影響で自宅でテレワークをする人も増えていますね。
実は私、日本で働いていた時に、長年に渡るパワハラにより自律神経をやられてしまい、
仕事を辞めてシンガポールで主婦をしている(辞めたのは夫の海外赴任に帯同するためでパワハラのせいではないのですが)今でもまだ、体の不調を調整中のワタシからすると、
在宅勤務中はパワハラ上司に会わずにすんでホッとしている人もいるだろうな、、、
とか、
逆にパワハラでテレワークを認めて貰えなかったりする人がいるのではないか、、、
など、、、どうしてもパワハラのことが頭を過ぎってしまいます。
つい先日も財務省のパワハラ疑惑やヤマハ社員のパワハラによる自殺が報道されたばかり、、、
そこで今回は、パワハラ被害の体験談やその時の心理、それからタイプ別パワハラ上司の特徴など、パワハラの実態についてまとめてみたいと思います。
この記事を読むとわかること
- タイプ別パワハラ上司の特徴と見分け方
- パワハラと騒ぐ風潮が本当のパワハラ被害に苦しむ人へどう影響するのか
- 筆者のパワハラ被害体験談ー被害者の心境や行動・ダメージの克服方法・収束
- パワハラ問題の解決を難しくしていると感じた4つの点
タイプ別パワハラ上司の特徴
本当に苦しんでいるパワハラ被害の傍らで、少し上司にきつく注意されただけで、自分が有利になるようにパワハラを悪用したり、乱用したりして、騒ぎ立てるような風潮があるのも事実です。
そうでなくてもパワハラという言葉があまりにも有名になってしまい、何かあるとすぐに「パワハラなのでは?」と思う風潮にもなっています。
そこで、まず最初にパワハラ上司の特徴をタイプ別にまとめてみますので「もしかしてパワハラ!?」と思った際に、パワハラかどうかを見極めるための参考としてご活用いただければと思います。
自己中心的なジャイアンタイプ
パワハラ上司と言って、一番わかりやすいのがこのタイプです。
女性の場合には、ヒステリックにわめき立てるタイプも多いです。
特徴
威圧的で頑固、自分の考えが一番正しいと思っています。
部下に対して丁寧に指導するタイプではないので、感情的に怒鳴ったり、わめいたりしますが、怒鳴られた部下にとっては大抵理由が分からず、理不尽に感じます。
人を傷つけるような暴言を吐いたり、時には暴力を奮ったりすることも。
威圧的に振る舞い、相手を萎縮させます。
間違われやすいタイプ
熱血指導者がこのタイプと間違われやすいです。
見極め方
パワハラ上司との境界線は受け取る側の感覚によっても異なりますが、自分のために敢えて厳しく接してくれているのかもしれません。
その指導に愛情があるのか、単なる大人のイジメなのか、また、他の人たちからはどう見えているのかなど、パワハラと決めつける前に見極めが必要です。
例えば大きなミスが発覚した際などに、普段は怖いのに何も言わずに一緒に解決してくれた、
もしくは、怒鳴られはしたけれどもかばってくれた、など、こちらを思っての行動があれば熱血指導。
逆に、執拗にミスを責め続けられた、他の人に自分のミスを晒された、怒鳴り散らされた後に仕事を外された、など、、、
問題の解決そっちのけで個人攻撃をしてくる場合がパワハラです。
ただ、いくら熱血指導だったとしても、怒鳴るという行為自体は容認できる物ではありません。
ついつい怒鳴ってしまう上司の方には、アンガーマネジメントの研修を受けていただくことを強くオススメしたいです。
過干渉タイプ
一見すると周りがパワハラとは気付きにくいのが、この過干渉タイプです。
特徴
細かなことまで部下の仕事を全てチェックし、ダメ出しポイントを探し出します。
少しでも意に添わない内容があれば長々とダメ出しをしてきたり、何度も何度も執拗にやり直しをさせられるため、
部下は地味にストレスを溜め込み、精神的にジワジワと追い詰められていきます。
しょっちゅうイライラされたり、嫌味を言われたりしますが、時に怒鳴ることもあります。
間違われやすいタイプ
性格が元々細かい方はこのタイプに間違われやすいです。
見極め方
その上司が上司自身に対しても同じように細かく完璧主義である、もしくは他の部下にも同様に細かくて厳しい、と言った場合には単に細かい上司。
逆に、同じことをしてもお気に入りの部下にはダメ出しをしないのであれば、パワハラ上司の可能性が高い(*)です。
(*)可能性が高いと書いたのは、例えば自分だけがパワハラに遭っている!?と思うような状況であれば、単にミスが多くて他の人より念入りに確認されている可能性もありますので、客観的な第三者から見てどう映っているのかなど、周りの人の意見も聞いてみる必要があるからです。
陰湿タイプ
陰湿タイプも、周りからはわかりずらいパワハラ上司のタイプですが、ここには悪意があるため、間違われることは少ないと思います。
特徴
挨拶を無視したり、1人だけ会議や部の集まりに呼ばなかったり、業務に必要な情報を回してくれなかったり、と、陰湿な嫌がらせをするタイプです。
明らかな大人のイジメですが、怒鳴ったりするわけではなく、時に狡猾に行われるため、周りに気づいてもらいにくいです。
そういう被害に遭った場合には、されたことを記録しておいたり、証拠を残しておくことをオススメします。
他にもいる様々なパワハラ上司
他にも、上下関係に厳しく下にだけ強く出るスネ夫上司や、特定のお気に入りの部下だけを可愛がるえこひいき上司、指導をせずに部下に仕事を丸投げ、何か問題があるとスルッとすり抜けて部下のせいにしてしまうナマズ上司など、、、
世間では様々な困ったパワハラ上司が存在すると言われています。
確かにどのタイプも困った上司ではあるのですが、、、
パワハラと言うにはやはり、
個人攻撃をされたり、怒鳴られたり、人前で尊厳を傷つけるような暴言を吐かれる、などの実例が繰り返された場合
ということになるのではないかと思います。
パワハラ上司にありがちな共通する特徴とは
パワハラをしている側の人間は、悪意をもって故意にいじめをしてくる悪質なケースを除くと、実は、驚くべきことに、気づいていない人が多いというのも特徴です。
パワハラ上司には、自分の中に凝り固まった自分のための大義名分を持っている人が多いので、悪いことをしているという自覚がなく、
むしろ正しいことをしているだけ、仕事上必要なことをしているだけ、と信じていることがあるのです。
ここには、本人の性格という問題のみならず、アスペルガー症候群の特徴など、難しい問題が隠れていることもあります。
パワハラの悪用や乱用が及ぼす影響
皆さんは、自分が悪いのに上司にちょっときつく注意されたからと言って、すぐにパワハラだと騒ぎ立てるような、パワハラの悪用や乱用が、本気でパワハラ被害に苦しんでいる人にとっては迷惑になる可能性があるということ、ご存知でしょうか。
いつ大切な誰かが、明日にはもしかするとアナタ自身が、パワハラ被害に遭うかもしれません。
パワハラに苦しんで、悩んで、やっとのことで勇気を出してSOSのサインを周りに出してみた時に、まず真っ先に調査されるのは、それが本当にパワハラかどうか、ということです。
コンプライアンスや人事の担当者にとってみれば、訴えた側の話を一方的に信じるのではなく、客観的に判断する必要があるのは当然と言えますが、
パワハラ被害者を傷つけるのは、担当者や周りからの、悪気の無い一言や、漏れ出てしまう反応なのです。
「本当にそんなことされたの?」
「大袈裟に言っているんじゃなくて?」
そう言葉に出したり、態度に滲み出ていると、ただでさえ敏感になっている被害者は傷つきます。
こういった要因として個人的に感じるのは、一般的に喧嘩は両成敗(被害者にも悪い面がある)だと思われていることもありますが、パワハラではないのにパワハラを悪用したり乱用したりするケースがあるせいではないかと思うのです。
前の会社にも、自分がずっと仕事を放置し、何度催促しても遅々として進まず、業を煮やした相手側が強めに催促すると、パワハラだと言い出す有名な人がいました。。。
日々、相談を持ち掛けられる部署で働いていると、例えば寄せられた相談件数10件のうち本当のパワハラが2件の割合だった場合、長く携われば携わるほど「またパワハラと騒いでいるだけでは?」と、つい思ってしまっても仕方がないことなのかもしれません。
もし、自分がパワハラに遭っているかもしれないと思った場合には、
まずは自分の側に何か非があるのか(*)考えてみて、思い当たることがあればそれをやめてみるとか、上司に対する接し方を変えてみるなど、自分の行動を変えてみてください。
もしかすると自分が変わることによって、今までパワハラだと思っていた上司の行動が変わるかもしれません。
こちらが色々努力している姿を見て「もしかしたら最近、少しきつく当たりすぎたかな」と、上司の側が反省してくれるかもしれません。
(*)念のために付け加えておきますが、例えこちらに非があったとしても、人前で晒し者にされたり、問題を解決もせずにただひたすら個人攻撃で責められるような場合は、迷うことなくパワハラです。
パワハラ体験談
それでは次に、私が実際に受けたパワハラ被害の体験について書いてみたいと思います。
直属の上司からのパワハラ!?
前の会社で派閥争いが激化した時、今まで良好だった筈の直属の上司との関係が悪化した時期がありました。
あれがパワハラだったのか、人間関係の問題だったのか、私自身もいまだに判断はつかないのですが、ともかくある出来事を境に、私に対してだけきつく当たられるようになりました。
その出来事とは、派閥争いの渦中にいる上司にとって面白くないことで、色々な要因があって私が上司の考え通りに動けなかった、というものでした。
私とその上司の付き合いは長く、互いに軽口を叩けるような間柄だったのですが、いつも冗談交じりに
「お前には何を言っても、泣いたり、へこたれたりしないからな」
と言われていたので、少しくらいきつく当たっても大丈夫なヤツ、と認定されていたのかもしれません。
ともかくとしてその出来事の後、私が仕事の指示を仰ぎに行っても「今忙しいから後にして」と、冷たくあしらわれるようになりました。
メールにして、と言われてメールを送っても返事はありません。
他の部員が相談に行くと、ちゃんと話を聞いているのですが、、、
ということで、上司に仕事の相談が出来ない、でも平社員の私には決定権がない、、、という、仕事がやり辛い時期が、半年ほど続きました。
その時、どう感じ、何をしたか
きっかけとなった出来事は、私が感じたきっかけであって、上司にとっては別の理由があったのかもしれません。
「いつならお時間いただけますか」と聞いても曖昧に流され、ようやく相談の時間を貰えたとしても「私の説明が下手過ぎて何を言っているのかわからない」と、話を最後まで聞いてもらえなかったり、、、
話しかけるタイミングを計って、上司が誰かと談笑した後や席に戻った直後などにしてみたり、
メールのタイトルを工夫して目立つようにしてみたり、
説明の仕方を変えてみたりもしましたが効果はなく、、、
何がどうダメなのか聞いても答えて貰えませんし、もう、何をどうすればいいのかわかりませんでした。
毎日他の部員とは談笑しているのに、私に対してだけ冷たい状態は、悲しかったし、辛かったし、どんどんストレスが溜まっていきました。
周りの反応は
上司が私に言っていることを周りも聞いているので、他の人に相談しても「私の話しかけるタイミングが悪いだけ」とか「説明の仕方を工夫してみたら?」と言われるくらいでした。
ただ、部の中でも見てくれている人は見てくれていて、
「あの態度はひどいですよね」と労ってくれる後輩がいたり、
「よく頑張ってると思います。自分ならあんな態度をされたら辞めてます。」と慰めてくれて、私が上司に話しかけようとしているとジェスチャーで「がんばれ!」と応援してくれる同僚がいたり、、、
周りのそんな優しさに救われた気がしていました。
どうやって収束したのか
そんな日々が半年ほど続いたある日、事件が起きて、この状況は終わりを告げることになります。
その頃、社内で大きなプロジェクトが立ち上がり、私があるファンクションのリーダーに任命されていました。
任命したのはその上司です。ですが、会議の席で皆の前で、上司が私にこう言ったのです。
「本当は相応しいタイトルの人をリーダーに任命したかったのだけど、わかる人が他にいないので仕方なくお前を任命した。自分では一切何も決めず、全て課長に相談するように。」
ショックでした。。。
そのプロジェクトは通常業務にプラスして遂行されていたので毎日遅くまで残業の日々で、人間関係も色々あって本当に大変だった中で、なんとかこなしている状態だったのです。
そんな時のこの一言に、悔しさのあまり、
「そんなことを言われたら、仕事なんてしていられません!」
と言ったのですが、涙が出てきて堪えられなくなりました。
社会人歴も長い大人なのに、不覚にも皆の前で泣いてしまい、急いでトレイに立って気持ちを落ち着けました。
その後、上司は「そう言うつもりで言ったのではなかった」といってはいましたが。。。
そしてこの事件を境に、上司が私にだけ冷たく当たる時期は終わったのです。
自律神経失調症の原因になったパワハラ
私が過度のストレスを溜め込み、自律神経をやられたのは、他部署の女性の上司からのパワハラが原因でした。
この方、ある分野のスペシャリストで、上層部と強いパイプを持っています。
それまでも、自分の部署で2人を退職に追い込み(本人には未確認ですがその上司のせいで辞めたと噂される人もいれると4人)、
色んな人としょっちゅう揉めているような人で、、、
一度ターゲットになると徹底的にミスなどを突かれ、その人が担当を外れたり、退社するまで攻撃を続ける人でした。
うちの部は彼女と仕事をすることが多く、歴代彼女と仕事をした女性部員は必ずと言っていいほど攻撃を受ける、という感じで、、、
私の直前に被害にあっていた同僚は、ちょっとしたミスを上の人たちに晒され、いかにわかっていないかを吹聴され、
何故こんなミスが起きたのか(添付した書類が最新版ではなかったのですが)執拗に説明を迫られ、、、
ノイローゼになる寸前のところを海外支店に転勤になることで逃れていました。
私も以前に1度彼女と仕事をした際に、理解の食い違いから担当を外されたことがあったのですが、その後しばらくは被害に遭うこともなく過ごしていました。
ただ、社内の派閥争いが激化した時期に、その流れに便乗するような形で再びパワハラが始まりました。
まずは彼女も確認済みの筈の資料で仕事を進めていたところ、随分進んでから急に気が付いたかのように、且つ、自分は今まで一切知らなかったかのように、その資料のダメ出しが始まり、仕事を取り上げられました。
それから彼女が最初から資料を作り直し、いかに私がわかっていないかを周りに吹聴し始めました。
その際に、関わっていた他の上司たちからも私がメールでバッシンングされていたと聞いて、強いショックを受けました。
彼女はある分野のスペシャリストなので、円柱を真上からだけ見て円だと言い、円柱であると言っているこちらをバッシングしてくるような人です。
こちらが説明しようとすると話を遮り「私の質問にだけ答えて」と言うのですが、
質問の関連性やバックグラウンドが不明なまま迫られるままに答える(答えないことは許されない)と、彼女の頭の中で別のストリーが出来上がっていて、
こちらの意図とは別のことを「この人はこんなことを言っている。信じられない!」と周りに吹聴されてしまいます。
話は聞いてくれませんし、炎上してしまうので説明するのも疲れてしまい、誤解されたままになることが多かったです。
私が彼女が騒いだことによって担当を外されたあとは、別の男性社員が私の業務を引き継いでくれていた(嘘みたいな話ですが、年下の男性社員はターゲットにはならない)のですが、
彼が物事を前に進めようとしても、
「これって誰がやったの?前の担当者はちゃんとわかってやっていたの?」
と、私のミスを何とか炙り出そうとしてくるのです。
私宛の依頼メールの宛先(CC)彼女が入っていたりすると、日曜日なのに私の上司にメールを転送し、
「こどらさんではなくもっと相応しい人をこの件にアサインしてください」
と迫り、私が彼女と関わる業務を担当しないように阻止していました。
その時、どう感じ、何をしたか
彼女からのパワハラが激化し、またしても担当から外され、他の上司からもバッシングを受けていたと知った後、
私はメールを受け取るのが怖くなりました。
資料を読もうとすると思考が停止し、理解できなくなります。
勿論彼女からのメールや電話がきても思考停止状態になります。。。
こんな状態では、この先仕事が出来なくなってしまうという危機感を感じた私は、自分で自分をマインドコントロールすることにしました。
その方法は下記です。
まず、受け取ったメールを読んでみて、「大丈夫、メールを読んでも誰からもバッシングされない。ほらね?大丈夫でしょ?」と確認します。
次に、メールに返信してみて、「「大丈夫、メールを返信しても誰からもバッシングされない。ほらね?大丈夫でしょ?」と確認します。
資料を読んでは同じように大丈夫だったことを確認し、そうやって成功体験を積み上げていきました。
心が萎縮して「また同じことが起きるかもしれない」と無意識に思ってしまう状態だと思ったので、
意識的に頭を使って「大丈夫」であった事実を認識し、頭から心に「大丈夫」であることを浸透させたのです。
また、仕事の良い面を紙に書き出し、仕事に行く前に声に出して読みました。
「会社は行くだけでお金が貰える素敵な場所。あの仕事は自分の能力を高められる素晴らしい仕事。」
こうする事によって、視覚と聴覚からも心に安心するように訴えかけられるのです。
こうやってトラウマは克服できたのですが、どうやら精神は強いような私ですが、体は正直です。
自律神経をやられてしまいました。。。
頭痛、目眩、耳鳴り、肩こり、過敏性腸症候群、不安症、血圧の上昇、動悸など、、、
最初は40代前半という年齢もあって更年期障害を疑ったのですが、複数の医療機関でホルモン値を検査してもらいましたが全くの正常値(一般的な20代と比べても同じくらいの数値で、減って来ているわけでもなく、何らかの異常が現れるとは考えにくい数値)でした。
循環器内科や脳神経外科など、その他様々な検査もしましたが異常なし。
そこで、漢方内科で漢方を処方してもらいつつ仕事を続けていました。
自律神経は治りにくいと言いますが、退職してシンガポールにいる今でもまだ、随分良くはなったものの、たまに目眩がしたりします。
(シンガポールにきてからも女性ホルモンを計りましたが、やはり全くの正常値です。)
周りの反応は?
この女性上司、周りと揉めることで有名な人ではあったのですが、人というのは自分で経験しなければ、なかなか共感したり実感したりできないもの、、、
私が話をしても大袈裟に話していると思われることも多く、実際にパワハラ現場を目撃して初めて「本当だったんだね」と言われたこともありました。
また、喧嘩は両成敗と思われているので、一番最初に私が担当を外された時には、彼女が転職してきて間もなかった事もあって被害者も少なく、私に原因があるのだろうと思っている人もいたようです。
でもこれは時間の問題で、この後複数の被害者が出れば、いつか周りもわかってくれるだろうと思っていましたが、案の定その通りになりました。
どうやって収束したのか
辞めることは考えませんでした。
だって、何故1人のおかしな人(と言わせていただきます)のせいで、私が仕事を失わなければいけないのか、、、そんな理不尽なことはないと思ったからです。
前の会社にはホットラインがあり、コンプライアンスの専門部署もありましたが、ホットラインは出来ませんでした。
自分で訴えても、パワハラ調査が行われた結果、客観的にみてそれはパワハラではないと判断されることが多かったり、
結局解決されずに訴えた側が辞めていくケースがあったり、
いくら報復は禁止されていると言われても、その上司との関係は益々悪くなるだけでしょうし、会社にもいずらくなると思ったため、辞める気でなければ訴えられないと思っていたからです。
そんな時に、事件が起こりました。
その女性上司が気になったことがあったようで、私を呼び出して経緯について説明せよと言うのです。
この時、私は既に主担当を外されていたのですが、関係者の集まったその会議で、現在の主担当者や他の担当者が説明をしても、何故だか私だけを執拗に責める、ということがありました。
そしてこの会議のことを、匿名の誰かがホットラインに通報してくれたのです。
早速調査が行われ、無事にパワハラと認定され、私に今後パワハラはしないという誓約書を書いてもらえました。
この会議以外の長年のパワハラや、私以外の人に対する過去のパワハラも一緒に問題になって欲しかったのですが、
理由は分かりませんが、対象はその問題になった会議でのパワハラ行為だけで、そこがイマイチすっきりしないところではありましたが、、、
パワハラ問題が難しい点とは
実際にパワハラの被害に遭ってみて、パワハラ問題において解決することを難しくしていると感じたことは下記の4点でした。
- パワハラ上司が優秀だったり、上層部と親かったりすると、会社にとって重要な人物と思われているためなかなか解決しづらい
- 自分で訴えてもパワハラと認定されづらい
- パワハラ上司はある程度の年齢の人が多いため「もう今更、性格は変わらない」と企業側が諦めてしまいがち
- パワハラの報復を禁止している企業も多いと思うが、何をもって報復と見做されるのか判断が難しい
加害者が重要人物の場合の難しさ
1つ目の「パワハラ上司が優秀だったり、上層部と親かったりすると、会社にとって重要な人物と思われているためなかなか解決しづらい」はありがちですよね。。。
でも、どんなに優秀か知りませんが、1人を庇うために何人もの社員を見捨てますか?
被害に遭っている人の中にも優秀な人材はいます(出る杭を打つパターンもあります)し、パワハラ上司1人だけで仕事は出来ませんよ?
そして、パワハラを見て育った部下が影響されてパワハラ上司になるという、パワハラの連鎖も指摘されていますよね。
ある人の周りで2、3件、社員が急に辞めたり、会社に来られなくなったりするような事件が起きた際には、そのある人がパワハラ上司である可能性が高いので、例え被害の訴えがなくとも対処するなど、出来ることがある筈です。
パワハラの声を上げることの難しさ
2つ目の「自分で訴えてもパワハラと認定されづらい」は会社にもよるのかもしれません。
でも、前述の通り、「またパワハラではないのにパワハラと騒いでいるだけなのでは?」と思われてしまう可能性がある以上、第三者からの通報の方が、客観性があるので説得力があるのは間違えないですよね?
もし、あなたの隣でパワハラに遭っている人がいたら、代わりに通報してあげてください。
匿名の第三者の声は偉大です。
※勿論自分が通報したということは、絶対に誰にも(人事やコンプラ担当者、被害者にも)言わないようにして、自分の身を守ってください。
パワハラ上司の性格が変わらない難しさ
3つ目の「パワハラ上司はある程度の年齢の人が多いため「もう今更、性格は変わらない」と企業側が諦めてしまいがち」という点は、
例えばパワハラ対応の担当者が、最初はパワハラを是正しようとして対策を講じても、本人の性格が変わらないために諦めモードになってしまう事です。
私のいた会社でも、例の女性上司は何度か注意を受けていて、性格矯正セミナーなどにも通わされていたようなのですが効果はなく、、、
退職する時に人事部の方には生意気ながらも提案してきたのですが、、、
性格を変えろと言ってもそれは無理な話なので、パワハラをする人には、性格を変えるのではなく、
怒りが込み上げてきたり、誰かを攻撃したくなったり、声を荒げそうになったりした時に取る、対処策を学んでほしいと思うのです。
アンガーマネジメントのセミナーに通ってもらうなど、方法はあるのではないでしょうか。
報復禁止の難しさ
4つ目の「パワハラの報復を禁止している企業も多いと思うが、何をもって報復と見做されるのか判断が難しい」が一番難しく、、、
「よくもパワハラで訴えたな!」と、あからさまならわかりやすいのですが、、、そんなバカな報復をする人はいませんよね。
報復だとわからない程度に地味に嫌がらせをしたり、本人と仲の良い別の人を通して嫌がらせをしたりすると、報復の証明はなかなか難しいものです。
私の場合も、パワハラと認定された後にも、私の後任の男性に対して執拗に
「これは最初は誰がやったの?その人が間違っているんじゃないの?」
と、私のミスを炙り出そうとしていましたが、そういう行為は報復とは見做されませんでした。
この辺りの明確なガイドラインがないと、パワハラの訴えをあげる勇気が出ない被害者もいると思います。
あとがき
いかがでしたでしょうか。
今回は、実際にパワハラ被害に遭った私が、パワハラの実態についてまとめてみました。
実はこの話、少し前までは、詳細を思い出したり、文章に纏めてみようとすると頭が締め付けられるようになってしまって、話も出来なければ文章にも出来ませんでした。
退職をして、日本を離れた今になってようやく、語れるようになりました。
たまに、パワハラ被害に遭わないようにする方法とか、パワハラ対処法などのまとめサイトを見たりしますが、そんなに簡単ではないのがパワハラの実態だと私は思います。
例え同じパワハラのタイプであっても、そのパワハラの背景や加害者と被害者双方の性格、被害者が何故ターゲットにされているのかという理由はバラバラで、それを方程式のように解決出来るようなノウハウなどはないと思うのです。
パワハラは決して他人事ではないのです。
パワハラされやすい人、されにくい人の違いなんてないと思います。
誰でも理由さえあればターゲットになり得る、確率の問題なのではないでしょうか。
パワハラは1人では乗り切れません。
人事、コンプライアンス担当者、経営者、上司、周りの同僚など、複数の力が必要になってきます。
また、もしパワハラに遭って働けなくなっても、結局損するのは被害者である自分なのですから、無理をせずにそんな環境から逃げ出す勇気を持つ事も、重要な選択肢だと思います。
この記事が、いつか、どこかで、誰かの役に立つようなことがあれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。