在宅勤務時代に勝ち残る:いつの時代でも必要とされる人材とは
少し前から日本でも始まりかけていた在宅勤務。
元々は東京オリンピックの時期の混雑緩和や、働き方改革の目的で導入され始めていましたが、ここに来ての新型コロナの影響で、在宅勤務が拡がりましたね。
日本には古い体質が根強く残っている会社もまだまだあり、これを機にこのまま一気に在宅勤務へシフト、、、ということにはならないのかもしれませんが、
近い将来確実にやってくるであろう在宅勤務時代。
今までのようにただ会社に行ってさえいればお給料が貰えた時代は終わり、今よりも明確に実力や成果で評価される時代が来ることでしょう。
そこで今回は、そんな在宅勤務時代を勝ち残る、必要とされる人材について考えてみたいと思います。
この記事を読んでわかること
- いつの時代でも必要とされる人材とはどのような人材なのか
- 必要とされる人材になるためには何をどのように実践すればいいのか
という2つのことがわかります。
いつの時代でも必要とされる人材とは
結局のところ、いつの時代であっても必要とされる人材というのはそう大して変わらないものではないでしょうか。
それは、スペシャリストであれ、ジェネラリストであれ、
自ら必要なことを見つけ出し、それを実行に移し、成果を出せる人
なのだと思いませんか?
今あなたの会社で優秀だと評価されている人を思い浮かべてみてください。
その人はきっと、何かの中心になって自分と周りを動かし、成果を出している人ではないでしょうか。
そういう人は単に言われたことだけをするのではなく、
言われた時には既に先回りしてやっていたり、言われたことにプラスして、関連する必要なことまで対応していたり
とにかく自分の頭で考え、誰に何を言われずとも必要なことを実行して成果を出しています。
このように、必要なことを自ら察知して事前に対応することをプロアクティブと言いますが、
このプロアクティブな人材こそが、今も今後も求められるのではないでしょうか。
プロアクティブのメリット
自分の頭で考えて事前に動け、成果を出せるプロアクティブな人材こそが今後も求められ続ける人材であるとお伝えしましたが、
ではプロアクティブな人材になると、どのようなメリットがあるのか挙げてみたいと思います。
プロアクティブな人材になるメリット
- 自分の頭で考えていれば経営者とは別の目線でのアイデアが生まれ、企業の発展に貢献できる
- 不測の事態が起きた時でも臨機応変に対応できる
- 根本が同じで派生しているような別の似たような問題が応用で解決できる
- 将来的に会社をリードしていけるのはプロアクティブな人材であり、たとえ今いる会社では難しかったとしても、独立したり、起業して経営者になることもできる
このように、プロアクティブな人材というのは、会社にとっても自分自身にとってもメリットだらけの人材であると言えるのではないでしょうか。
プロアクティブな人材になる方法
ここからは、そんなプロアクティブな人材になるための必要要素と、プロアクティブな要素を身につけるためにはどうすればいいのかについてまとめてみたいと思います。
必要要素
プロアクティブな人材になるための必要要素は、そう多くはなく、たったの3つだと考えます。
プロアクティブな人材になるための必要要素
- 相手のニーズを正しく捉える
- 物事の全体像を捉える
- 真摯に対応する
では次から、それぞれの要素について詳しくみていきましょう。
要素1:相手のニーズを正しく捉える
プロアクティブな人材になるための必要要素の1つ目は、相手のニーズを正しく捉える能力です。
いくら自分の頭で考え行動したとしても、それが相手のニーズを無視したあさっての方向へ進んでいたのでは意味がありません。
そうなってしまうとゼロからのスタートですらなく、軌道修正して、正しい方向へ進むために状況をアジャストして、、、と、余計な作業が必要になってしまいます。
これではむしろマイナスからのスタートということになり、周りに迷惑をかけてしまうことにもなり兼ねません。
そこで必要になってくるのが、相手のニーズを正しく捉えるという能力になってくるのです。
具体的な実践方法
相手のニーズを正しく掴むためには、
- 目の前にある情報から相手の立場に立って想像し、ニーズを予測すること
- 情報が足りなければ取りに行き、その予測が正しいのか要所要所で確認しながら進むこと
という2つを実践することが必要です。
これは例えば上司から「この資料を纏めておいて」と頼まれたとします。
その時に最初に取るべき行動は、その資料が、いつ、どこで、何のために、誰向けに使われる資料なのか、という情報を収集し、その目的に添った資料がどういうものかを推測することになります。
そして目的が何であるかが予測できたら、それを上司に「こういう内容で考えていますがよろしいですか?」と方向性が間違えていないか確認してから進めることが肝心です。
また、方向性や目的を確認したはずなのに、実際に作り出してみるといつの間にかずれている、、、ということも起こりがちですので、
少し進んだ段階でもう一度目的を振り返り、現状と比較し、方向性がずれていないか客観的に見直すことも重要です。
相手のニーズを正しく掴む方法
- いつ、どこで、何のために、誰向けに使われるのか、という情報を収集し、その目的に添った成果物がどのようなものかを予測する
- 最初の一歩を踏み出す前に自分の予測が正しいかを確認してから進み始める
- 少し進んだ段階で一旦振り返り、自分の予測が正しいか客観的に見返してみる
この能力を身につけるための手段
目の前にある情報の中から相手のニーズを正しく予測して捉えるためには、読解力と情報把握力が不可欠になってきます。
では、読解力と情報把握力をどのように身につけるのかというと、
文章を読んでその中から相手の言いたいことを把握したり要約したりする国語の授業や長文読解の勉強
実はこれこそが、社会に出てプロアクティブな人材になるためには欠かせない訓練なのではないかと個人的には感じています。
上司の指示を取り間違えることが多い、相手の言っていることがよくわからないことが多いなど、思い当たる場合には、国語の能力を磨くことをお勧めします。
活字離れと言われている現代ではありますが、本当は子供の頃から沢山の本を読んでおくと良いのですが、大人になってから闇雲に本を読んでも力がつくまでに時間が掛かってしまうので、
その場合には国語のドリルをしてみるなど、もう一度基礎から復習してみると良いと思います。
この要素のまとめ
必要要素1:相手のニーズを正しく捉える能力
方法:
①目の前にある情報から相手の立場に立って想像し、ニーズを予測する
②情報が足りなければ取りに行き、その予測が正しいのか要所要所で確認しながら進む
手段:
文章を読んでその中から相手の言いたいことを把握したり要約したり、長文読解などを通して読解力と情報把握力を磨く
要素2:物事を全体的に理解する
自分の頭で考えて動けるプロアクティブな人材になるために必要な要素の2つ目は物事を偏った視点ではなく、全体像を把握する能力です。
偏った見方をしていると正しい方向へ進めなくなります。
例えば円柱というものは、真横から見ると長方形に見え、真上から見ると円に見えますが、斜めから見て初めて円柱だということがわかります。
物事も同じように、長方形や円だと思ってみている時に出る答えと、円柱だとわかってから出てくる答えは違うものなのです。
円柱だと思って全体的に眺めてみて初めて、本当に足りないものが何かに気づくことが出来るようになります。
具体的な実践方法
私が以前働いていた航空会社を例に取ってみると、航空会社の事業内容というのは一口で言えば飛行機を飛ばして人や物を輸送することなのですが、
実際に飛行機を飛ばしているパイロットやお客様のお世話をするフライトアテンダントという表舞台で働く人の他にも、
整備をする人、空港で働く人、予約や航空券の発券をする人、お客様の要望やクレームなどに対応しサービスの向上に役立てる人、収入を管理する人、政府などに申請を出す人、企画する人、ルールや規程を決める人、システムを開発する人など、、、
様々な役割を担って働く人の集合体だといえるでしょう。
私はその中でルールや規程を決める部署で働いていた経験があるのですが、時に海外の予約センターなどの現場スタッフから「こういう問題が起きて困っているので解決してほしい」という要望を受けることがありました。
その際に、海外の予約センターの視点だけでその問題を捉えた時に出てくるベストな解決策が、日本の空港スタッフの視点から見ると別の問題を生じさせてしまう案であったりするのです。
1つの現場で発生している問題を解決することは必要なのですが、だからと言ってそれを解決するために、他の現場に不具合が起きては意味がありません。
そこで私は、事前に関係者からヒアリングした上で解決策を考え、その解決策がそれぞれの現場でマイナスな影響を与えないか検証することにしていました。
このように、全体像を把握するには、一歩引いてあらゆる角度から物事を見ることが必要になってきます。
ただ、そんな時にたった1人で全ての専門知識を得て、状況を把握するのは不可能なこと。
そのような時には1人で全てを理解する必要はなく、それぞれの分野のキーパーソンから話を聞き、意見を貰えばいいのです。
よく、色んな意見があると纏まらないので聞かずに決めてしまう、と言う人もいますが、それでは独りよがりになってしまうと個人的には思います。
勿論様々な意見があるのは当然なので、多くの場合、全ての人が喜んで納得するような解決策はないでしょう。
それでも、このように物事を全体的に理解した上での案であれば、他にマイナスの影響を与える事なく問題を解決したり軽減したりする事が出来るのです。
全体像を把握する方法
- 1つのことに注力するのではなく、一歩引いて関連する事柄をあらゆる角度から全体的に眺めてみる
- 関連する各分野のキーパーソンからヒアリングした上で全体的に考えた場合のベストと思える解決策を考える
- 考え出した案が各分野において問題が起こらないか検証する
この能力を身につけるための手段
物事を全体的に把握する能力を身につけるには、何故そのような事象が起きるのかという視点で考えてみると、視野が広がり、全体像が把握しやすくなります。
様々な物事の「何故」という点を理解すると、原因や根本がわかるため解決策が出てくるだけでなく、似たような事象が起きた時に応用する事が出来るようになります。
普段から何事にも「何故なのだろうか」と興味を持ち、考えて調べてみるようにすることをお勧めします。
また、前述の通り複数のキーパーソンから話を聞く局面が出てきますので、コミュニケーション能力も必要になってきますし、ここでもやはり1番目の要素として挙げた相手のニーズを正しく理解する能力が必要になることも、申し添えておきます。
この要素のまとめ
必要要素2:物事の全体像を把握する能力
方法:
一歩引いて全体的に物事を眺めてみて、関係するキーパーソンからヒアリングした上で解決策を考え、その解決策が他にマイナスな影響を与えないか検証する
手段:
普段から何事にも「何故なのだろうか」と興味を持ち、考えて調べてみるようにすることで視野を広げる
要素3:真摯に対応する
自分の頭で考えて動けるプロアクティブな人材になるために必要な要素3つ目は目の前にあることに真摯に対応できる能力です。
一見するとプロアクティブとは関係のないように思えるかもしれませんが、実はこの能力はとても重要な要素なのです。
というのも、いくらプロアクティブで優秀な人材であったとしても、1人で出来ることには限度があります。
例え独立して1人で事業をしていたとしても、誰の力も借りずにたった1人だけで何かをしている人はいないものです。
仕事は人間がしているものなので、そこにはどうしても感情が伴います。
人から頼まれたことを疎かにして、好きなことや派手なこと、アピールできることばかりをしているような人は信頼されません。
そんな人がいくらプロアクティブに動こうと思っても、周りの協力を得る事が出来ず、結果的に成果は出せないものです。
プロアクティブに動くには、自分だけではなく周りの人にも動いてもらう必要があります。
そのためには
自分の目の前にある仕事に真摯に向き合い対応することによって、周りから「この人の依頼なら協力してあげよう」と思ってもらう
ということが重要になってくるのです。
また、いくらプロアクティブに動くのが良いからと言って、上司に従わなかったり、上司に無断で勝手に物事を進めてしまっては、上司からの信頼がなくなってしまいます。
そうなると優秀で頼りになる部下ではなく、指示を聞かずに勝手に物事を進める気に喰わない部下になってしまいますので、そういう意味でも何事に対しても真摯に対応することは非常に重要な要素なのです。
具体的な実践方法
目の前にあることに真摯に対応する、ということにはワンポイントがあります。
それは、常に依頼された事にプラスアルファの付加価値をつけて返すように心掛けることであり、それによって相手のニーズの一歩上を満たす事ができるようになるのです。
そうなると「あの人に頼めば何とかしくれる」と頼られるようになりますし、周りからの信頼が大きくなれば、必然的に大きな仕事も任されるようになってきます。
具体的にはケースに分けて説明したいと思います。
ケース1:質問に答えたり依頼に対応する際
関連する情報があれば追記したり、依頼されたことのみならず、関連して必要なことにも対応するようにします。
ケース2:質問をされたが自分ではその答えがわからない場合
このような場合には「私の担当ではないのでわかりません」と断る代わりに代替案を書いてみましょう。
例えわからなかったとしても、誰に聞けばわかるのか、似たような事例の時にはどうしたのかなど、相手の参考やヒントになる情報を返すようにします。
ケース3:相手からの依頼内容が曖昧で、どういう意味で質問されているのかわからない場合
「ご質問の意図がこういう意味(必要性)であれば○○です。もしこういう意味(必要性)であれば△△です。」
と、ケース分けをして回答するようにしてみましょう。
多分こうだろうと予想して一つの可能性にだけ返信をして足りないよりは、考えられるケースを列挙して答えておくほうが、例え手間でも相手のニーズを満たせる確率が高くなります。
その他に気をつける点
どのようなことでも手を抜かない、期日までに対応する、間違えのないようにするなど、当たり前のことをしっかりとするのは言うまでもありません。
この能力を身につけるための手段
目の前のことの真摯に対応する、という点については、前述の2つの要素とは違って何かを努力して伸ばすような必要はなく、考え方を変えるだけで誰でも簡単に身につける事が出来ます。
どんなに優秀であっても最初から大きなことは出来ませんし、目の前のことを疎かにする人に大きなチャンスも回ってきません。
一歩一歩着実に前に進むだけです。
この要素のまとめ
必要要素3:真摯に対応する能力
方法:
常に依頼された事にプラスアルファの付加価値をつけて返すように心掛けることによって相手のニーズの一歩上を満たす
①依頼された内容のみならず、関連して必要なことをする
②自分ではわからない時、できない時にはただ「わからない」「できない」ではなく代替案を出す
③相手の意図が不明確であれば考えられる選択肢を想定してケース分けして返す
④どんなことでも手を抜かない・期日を守る・ミスをしないなど、当たり前のことはきっちりする
手段:
心がけ次第で誰でも身につけることが出来る
あとがき
いつの時代でも求められる人材というものは、
自分の頭で考え、言われずとも必要なことに事前に対応し、成果を出せるプロアクティブな人材であり、求められる人材になるための必要な要素は下記の3つの能力だと筆者は考えます。
- 相手のニーズを正しく捉える能力
- 物事の全体像を捉える能力
- 真摯に対応する能力
今回は、その要素の解説と、具体的な実践方法、その要素を身につけるための手段についてまとめてみました。
毎日出来る範囲から少しづつ実践してみれば、周りからの評価がガラッと変わるかもしれません。
是非、参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。