新型コロナ対策フェーズ2:22時半のシンガポール
最近日本ではまた感染者数が増えている新型コロナ。
ここシンガポールでは落ち着いてきています。
先日、日本のニュースを見ていたら、東京で早めにお店を閉めるように要請があった事に対して
「そんなことしても効果があるわけないから通常通り深夜まで営業します」
とお店の人が言っていたのですが、効果があるかないかは実際にやってみないとわからないのになあ。。。と思ってしまいました。
そんな今回は、シンガポールで今行われている新型コロナ対策についてまとめてみたいと思います。
シンガポールの新型コロナ感染者数
2020年8月14日正午発表のシンガポールでの新型コロナ新規感染者は下記の通りです。
外国人労働者の寮(隔離中):79人
海外からの入国者(14日間の隔離中):4人
それ以外の一般社会:0人
(累計死者27人、現在重症者0人)
※最新の政府発表はコチラから
日本でも寮生活でクラスターが発生したり、船の中で感染が拡大したりと、やはり共同生活では気をつけていても感染拡大を防ぐのは相当に大変なこと。
シンガポールでも外国人労働者が共同生活をしている寮でのクラスターが主な感染です。
フェーズ2:シンガポールの感染防止対策
今のシンガポールはポストサーキットブレーカー。
フェーズが3段階に分かれていますが、
2020年6月19日からフェーズ2
です。
(※各段階についてはコチラの記事で一覧表でまとめています)
シンガポールでは、このフェーズ2が実質的な社会活動の再開を意味していて、
社会が動き出してからそろそろ丸2ヶ月が経とうとしています。
シンガポールで暮らしている者の実感としては、
社会生活に多少の制限があるものの、それほどストレスもなく、普通に日常生活を送れている気がします。
そんな今、現在進行形で行われている主な対策は下記になります。
- セーフエントリーでのチェックイン・チェックアウトで、いつ・誰が・どこにいたかがわかります
(入店時に熱を計られることも多いですが、計られないところも、、、) - 新型コロナの新規感染者が人にうつす可能性のある時期に、どこに立ち寄ったかがリストになって公開されています
- 基本的に海外からの入国者は14日間の隔離生活で、PCR検査も実施されています
- (もう終わったのかもしれませんが)症状の有無に関わらず対象者を決めて洗い出し検査をしていました
- 咳などの急性呼吸器感染症の症状がある13歳以上の人は、最初に病院を受診した際に新型コロナの検査をされ、数日間の外出禁止になります
- 外出時のマスク着用が義務
- 集まっていいのは5人まで
- 人と一定距離をあけるソーシャルディスタンシングの実施
(お店では、入店する人数を制限したり・座席と座席を離すなどの対応がされています) - こまめな手洗いや手の消毒を推奨(お店、モール、駅、集合住宅などに消毒液が設置されています)
- レストランやバーなどでのアルコール販売は夜10時半まで
※その他にも細かく書くともっと色々とあるのですが、簡単にまとめてみました。
※一部の社会活動はまだ再開を許可されていないものもある筈なのですが、全ての動きを追っているわけではないので割愛させていただきました。
シンガポールの22時半
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、
今、シンガポールではアルコールの店舗での提供=お店で飲んでOKなのが22時半までです。
先日訪れたホーカー(ラオパサ)では、
22時にアルコールの販売を中止して、飲めるのは22時半まで
と言われましたよ。
その後も営業はしているけど、人はほとんどいなくなる、とも。。。
で、先日バーに行ったときには、
22時半少し前に、店員さんが回ってきて、
「22時半までしか飲めないからね」
と注意喚起をしてくれて、
22時半になった瞬間に閉店
しました。
街では他のバーやレストランなども一斉に閉店していて、お店からは続々と人が出てきます。
22時半に閉店しなければいけないわけではないのですが、実際には22時半にお店が閉まることが多いようです。
シンガポールのコロナ対策は有効なのか
社会活動と感染防止の両立という面で見ると、社会が動き始めてから2ヶ月経った今、感染者が減っていっているところから判断するに、
シンガポールのコロナ対策は有効だと言えるのではないでしょうか。
外出時に全員がマスクを着用することも、夜にお店が早く閉店することも、実際の感染者の推移を見ると有効なのだと思うのです。
マスクについては自分が感染しないために着用するのではなくて、
全員が人にうつさないためにマスクをすることによって、回り回って自分も感染しないのだと思いますし、
夜遅くまで開いているお店がなければ皆が早めに帰宅し、
酔っぱらい過ぎると気が大きくなって予防対策とか人との距離を保つことなどは忘れてしまいますので、
酔っ払い過ぎる人が減ることだけでも、ちゃんとした感染防止策になるのだと思うのですよね。
マスク着用も、アルコール提供時間の制限も、徹底して初めて有効に働くとは思うのですが。
ちなみに今回の新型コロナでシンガポールの盲点になっていた、
外国人労働者の寮でクラスターが発生した件については、政府の対応に賛否両論ありますが、
これは個人的にはシンガポール政府の有能さ・無能さに関係なく、シンガポール人の持つ感覚が招いたことなのではないかなあ、、、と感じています。
シンガポーリアンの友人も
「外国人労働者の寮を酷い環境にしていたせいでこんなことになって」
と言っていたのですが、私たち日本人からすると、シンガポールのメイドルームだって結構な衝撃なのです。
狭い部屋に荷物と一緒に、体を丸めないと眠れないようなところにメイドさんが住んでいて、、、
(私は言えなかったけど)
夫が普通にそう突っ込んでいたのですが、
友人は平然と、
「メイドにはプライベート空間があるんだから、全然違うよ。うちのメイドも狭くても1人になれる部屋があるって喜んでるよ?」
と言っていました。
1人の空間だけど足を伸ばして眠れない部屋と、何人かで一部屋の寮生活だけど自分専用に足を伸ばして眠れる寮であれば、寮の方が良いのではないかと思ってしまいますが、、、
外国ではプライベート空間を重視しますものね。
まあ清潔感とかも加味して考えると、実際に見て比較したわけではないので良くわかりませんし、
もしかすると母国の住環境に比べたら、それでもシンガポールでの住環境の方がいいのかもしれませんし、
人様の文化や価値観をとやかくいうつもりはないのですけどね、
ともかくとしてこの件は、対策云々の問題ではなくて、感覚の違いが生んだ問題だったのではないかと思うのですよね。
あとがき
ハワイに嫁いだ友人から、独立記念日を境に感染者が再燃し、先日再びロックダウンが開始されたと聞きました。
シンガポールも先日8月9日に独立記念日を終えたばかりですが、今のところ再燃はなさそうですね。
人が1箇所に集まらないように、パレードも花火もシンガポール各地に分散されたりと工夫されていましたからね。
違反に対する罰金や強制力があり、ロックダウンした国でも第二波がきてしまうので、
ロックダウンも罰金も強制力もない日本に第二波がくるのは、当然と言ってしまえば当然とも言えるのかもしれません。
リーダーシップとか、決断力とか、そういうことが苦手なのが日本人。
個人の判断に委ねる国、日本、、、
これだけ聞くと、一瞬「なんて国だ💦」と思いそうになりますけど、
逆にいうと、強い統率力がなくても個々の力が集まってなんとかできるのが日本の凄いところ。
海外に出ると特に「自分の身は自分で守るもの」という感覚になりますが、
外国人であれば自分の身を守るために皆が自分勝手に振る舞い始めて収集がつかなくなるのでしょうけど、
そうならないところも日本の凄いところ。
そんな国、他には聞かないですよね。
何にせよ、1日も早く平和に暮らせる日が戻ってきて欲しいですね。
終戦の日の今日、ちょっと角度は違いますが、心から平和を願って。
(あー、でもでも、終戦の日が8月15日と思っているのは日本人だけなのでした💦)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。