アベノマスクへの反応で感じたシンガポールのコロナ対策がすごい点
ついにシンガポールのマクドナルドが閉鎖になってしまいました。
先日コチラの散歩の記事にも書きましたが、私にとってマックは命の恩人だと思っていたら、その翌日に店員さんの集団感染が報じられ、、、
心配はしていたのですが。。。
今朝はそのマックからの残念なお知らせと、それから配布されたアベノマスクが汚れていたというニュースが個人的には気になりました。
ところでこのアベノマスク、日本ではすこぶる評判が悪いですよね。
日本にいる私の友人たちの間でも、正直、良い反応は聞こえてきません。
私は個人的にシンガポールで政府がマスクを配布してくれると聞いた時には嬉しかったですし、喜んで取りに行きましたよ!?
そこで今回は、同じようにマスクを配布したのに、何故アベノマスクが不評なのか、、、
シンガポールのコロナ対策のすごさについて、個人的に感じていることをまとめてみたいと思います。
この記事を読んでわかること
現在シンガポールにいる筆者が、
シンガポールと日本の新型コロナに対する対策をみていて個人的に感じているシンガポールのコロナ対策がすごいと思う点
についてまとめています。
政治家でもジャーナリストでもない、1国民として肌で感じていること、ですので、
お気楽に、「だよねー」「自分も思った!」「あるある!」程度にお読みください。
シンガポールのコロナ対策、ココがすごい!
予防への認識がすごい
シンガポールでは銀行や病院(内科でなくても)などへ入る際にコロナの問診票を記載させられます。
私は個人的にコロナの時期に日帰り手術を受けたため、この手の問診票を書く機会が多かったのですが、
そこには自分のID番号を記入し、症状や渡航の有無を申告してからサインをする欄と、
病院側がそれを確認したという確認欄が設けられていました。
先生によると、国からの指示によって求められているそうです。
また、過去記事にも書きましたが、感染が大幅に拡大する前の早い段階から感染症警戒レベルが引き上げられ、
それによって街では、ホテルやレストランなどの施設(オフィスビルや学校もみたいですが)に入る際には検温が始まり、
観光地やレジなどにもサニタイザーが置かれていました。
情報開示の仕方がすごい
シンガポールでは感染ルートや濃厚接触者への追跡調査が徹底していて、それが保険省のホームページ(コチラ)で公開されています。
これによって、シンガポールでは外国人である私でも、
- 現在の感染者数は何人なのか
- どこでどのように感染が発生したのか
- 追跡調査出来ていない件数はどのくらいあるのか
などの確認をすることが出来ます。
しかもこのページは毎日更新されていますし、状況に応じて情報の開示の仕方をアップデートしていっているのです。
- 海外からの帰国者によって感染が拡大した時期からは、、、
=>帰国者を外出禁止措置にした上で、海外で感染したケースと国内感染者の数を分けて表示 - 外国人労働者のドミトリーで爆発的な感染者を出している現在では、、、
=>ドミトリー感染者数を分けた上で、今までに行われた検査数もtopページに表示
など、情報を開示するだけでなく、国民がパニックに陥らないための有効な開示方法が考えられているように感じます。
また、ここには政府による対策なども載っているため、今現在シンガポールでどのような対策が取られているのかもわかりますし、
デマが流れると政府がデマを否定して正しい情報を見るように促したり、パニックが起きるとパニックにならないように呼びかけたりもしています。
このような情報を通して、実際に入国の制限や外出禁止措置(濃厚接触者や帰国者などに対するものですが、監視体勢が徹底されています)が行われているのかがわかり、コロナの検査が徹底していることもわかりますし、
何より政府の発表に透明性があるので安心できます。
これは昨今日本でも言われ始めているコンプライアンスの流れと同じで、
都合の悪い事実を隠蔽するより、きちんと公表して対応する方が社会的信用度が上がる
まさにその実例のように思いました。
たまに日本のニュース記事などで「シンガポールの人口あたりの感染者数は日本の○倍」といったような表現を目にしますが、
感染者が洗い出されている中で発表されている感染者数と、検査が実施されていないが故に氷山の一角にしか過ぎない感染者数を比べても。。。
明確さがすごい
シンガポールでは、すべきこと と してはいけないこと、が明確になっている印象です。
日本の友人からはよく「こういう時にどうすればいいかわからないよね」とか「緊急事態宣言が出たと言っても何がダメとはっきりしているわけではないから会社に行かないといけない」などという嘆きを聞きます。
「どうすればいいのか」という指示が明確でないと迷うことが多いものですが、
シンガポールではその指示が明確なため「どうすればいいかわからずに迷う」ということは少ない気がします。
オフィス、学校閉鎖!
必要なとき以外外出ダメ!
必要なときってコレとコレ!
以上!!!
という感じで、単純明快な印象です。
飴とムチの使い方がすごい
シンガポールでは、政府の取締りや罰則が厳しいです。
罰金やVISAの剥奪など、、、はっきり言って怖いです。
必要以上に不安を抱かないよう、パニックを起こさないように統制しているシンガポールですが、そうなると今度は国民の間の危機感が薄れてしまいます。
気が緩んで外出自粛なのにも関わらずに遊びに出掛けてしまったり、友達同士で集まってしまったり、、、
(もーーー、人ってワガママ💦)
そうなるとせっかくの対策が意味を為さなくなってしまうので、その分監視の目を厳しくし、違反者への取締りや罰則を強化しています。
ここには賛否両論あるようですが、個人的にはとても理に叶ったやり方だと思います。
闇雲に不安が広がらないようにしつつ、守らないと厳しく対応することで抑止力も発揮しているのですから、
表現のニュアンスは多少違うかもしれませんが「飴とムチの使い方(*)」が上手いと思うのです。
(*)飴=安心、ムチ=取締りと捉えた場合
次の矢を打つタイミングがすごい
シンガポールでは、感染症警戒レベルの引き上げといい、オフィスや学校の閉鎖といい、対策を打つタイミングが早いです。
起きた結果に対して手を打つのではなく、兆候が見られた時に次の手を打っているのが、個人的にはとても印象的でした。
先日プロアクティブな人材について記事を書いたのですが、まさにシンガポールは、必要なことを先手を打ってプロアクティブに対応している気がします。
- スーパーや生活に必要な業種を除いてオフィスをクローズ
国民が真っ先に不安になるのは、食料自給率の低いシンガポールで食料が足りるのか、、、ということ。
=>安心してくださいと国民に呼びかけるだけでなく、オーストラリアやニュージーランドなどとの間で、物資の流通を止めないように相互確認済み - オフィスや学校を閉鎖し、外出自粛にしたものの、感染者が増加傾向
=>ただ様子を見るのではなく、外出時のマスク着用を義務化
*今まで症状のある人だけにマスク着用を促していましたが、無症状の人が他に感染させないためにマスクを配布するよう方針を転換
=>マスクの無料配布を行う
シンガポール政府の臨機応変な対応には「やっていることに一貫性がない」と思わせない、筋の通ったものを感じさせるのですが、
それも状況と次の手がピッタリと合っているし、その次の手を打つと新たに必要になる問題への解決手段が一緒に取られているからなのではないでしょうか。
プロセスが違うと同じマスク配布も、、、
ここでアベノマスクの件ですが、、、
マスクの配布という行為はシンガポールも日本も同じでも、そこまでに取られてきた対策やタイミングなどのプロセスが違うと、
印象や国民の受け取り方がこうも違うのですね。
マスクを配布することは人に感染させないためには有効な手段なのに、、、
モッタイナイ
あとがき
いかがでしたでしょうか。
トップになれば何をしても批判はありますし、あっちを取ればこっちがダメになる、、、ような難しい舵取りも必要になると思うので、ご苦労も多いでしょうし本当に大変ですよね。。。
何にせよ、マスクは人に感染させないための有効な手段ですので、有効に使いたいものです。
手作り布マスク、ハンカチマスク、アベノマスク、、、
最後までお読みいただき、ありがとうございました。